交換できないプラスチックを、再利用で活かす
Woodly®の素材はプラスチックですが
ベースとなっている原料は、針葉樹のセルロース:
従来の化石資源由来プラスチックの優れた特性を模した
新タイプのプラスチックです。
「プラスチックが環境に悪いのなら、プラスチック以外の素材に交換しよう」
このように認識されることはよくあります。化石由来のプラスチックの使用をやめて、全く異なる素材にすれば問題は解決するだろう、という考え方です。実はそんなに簡単にはいきません。
プラスチックはすでに世界中に溢れていて、大量に生産されている素材です。実際に、何万種もの異なるグレードのプラスチックが、商業的に使用されています。プラスチックは、消費生活と完全に一体化しているため、ほとんどの場合、私たちはプラスチックの存在に気付いていないほどです。世界のプラスチック生産量は年間3億5,000万トンに達していて、減少の兆しはありません。それどころか、プラスチックのCAGR(年平均成長率)は3.5%で成長すると予測されています。
つまり、プラスチックは代替できませんし、代替する必要はないのです。プラスチックをプラスチックのまま、そのデメリットを解消すれば良い、と当社は考えました。
当社は、プラスチックのメリットを維持しながら、生態系への影響を軽減するようにプラスチックを再設計しました。それがWoodly®です。
持続可能な森林からのセルロース
自然からの生物由来の成分
当社で使用している主原料は、国際的な生態学的・倫理的基準に基づいて管理された森林から採取されています。Woodly®は再生可能な生物資源から作られるため、CO2の排出量が増えないカーボンニュートラルな素材です。同時に、化石資源への依存度を減少することにも貢献しています。Woodly®は、使用後にリサイクル資源として再利用もできますし、可燃ごみとして処分することも可能です。
木材からプラスチックを作るには、いくつかの構成成分が必要です。Woodly®の主要素は、木から取り出した高分子「セルロースポリマー」です。加工工程ではセルロースに他の成分を加え、プラスチックの性質を引き出します。製造に使用している成分の多くは、植物から見つかる生物由来の成分です。※ 一部、生物由来の成分が大量に入手できないものに関しては、その場合のみ化石由来の成分を使用しております。
Woodly®の素材は、欧州の独立技術検査機関TUV AUSTRIAから認証を受けています。認証には、再生可能な原材料の割合(バイオベース)が記載されています。すべてのWoodlyマテリアルグレードのバイオベースは40~60%と高い割合となっています。この認証は木材ベースの材料で製品を開発するために欠かせない基準であり、今後完全木材ベースの材料を開発するための重要な一歩です。
” 世界のプラスチック生産量は、まもなく年間4億トンに達します。このペースで生産され続けると、2050年には年間10億トン以上のプラスチックが生産されることになります。緩和策を講じたとしても、この増加傾向を止めることは難しく、年間7~8億トンのプラスチックが生産されることが予想されます。この成長予測は、今後30年間で50%の人口増加が見込まれるだけでなく、人口動態の変化によっても牽引されています。都市部に居住している中流階級は、同期間に20億人増加するといわれています。プラスチックの飛躍的な成長には、便利な一方で問題も伴います。プラスチックを生み出している私たち人類が廃棄物に対する責任を認識しない限り、想像よりも早く、人類はプラスチックをはじめとした廃棄物で溢れてしまうでしょう。”
引用元: AFRY(旧称Pöyry)